現在の壺屋では製陶工房を建てることはできません。
建築基準法上「工場」の扱いを受け、また用途地域により制限されている為です。
今、壺屋にある製陶工房は法規制以前よりある建物等で既存不適格ということになり、今は特に問題ありませんが再建築することができないのが現状です。 年々工房も減ってきて、観光上の意味でもこれからの壺屋のイメージが問われ続けています。
先祖代々の働いた歴史ある町に再び戻って伝統工芸を継ぎ、そして地域に貢献したいという施主の熱い想いから本計画はスタートしました。
もちろん、公害など近隣に迷惑をかけることがあってはいけませんので、近年の窯の性能も上がり煙の問題も解決されてきていることから、付近の環境を守り貢献するということで市と話合い、また公聴会を開き地域住民とも議論をした上で「建築許可」というかたちで建築することができました。
住宅併設店舗・製陶工房ということで結構な容積が必要でしたが、通り側の圧迫感などに考慮して勾配屋根をつけるたりすることで、できるだけボリュームが小さくなるよう計画しています。
また、壺屋に相応しい景観を演出する為に、道路から連続して見える赤瓦の屋根、石垣をイメージした外壁の石積み、その石積みに這うオオイタビの緑を植えています。
その他、昔の壺屋に生えていて、焼き物製作の為の道具として加工したりして使用したという竹を植えてたり、工事前に埋蔵物調査を行った際に出てきた石を外溝の一部に利用することで少しでも当時のイメージに近づくよう意識しています。
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